学校法人 函館龍谷学園

認定こども園 龍谷幼稚園 -りゅうこくようちえん-

三つ子の魂百まで

園長先生のひとりごと

三つ子の魂百まで

7月12日(金)

「幼いころに形成された性格は年齢を重ねても変わらない」というような意味です。
三つ子とは3歳までという意味合いのようですが、私の立場からすると3歳というより幼児期の区切りである6歳までと感じます。
年長児(6歳)までに形成された人格が、大人になっても人格の土台になるという感覚です。
例えば「そんなの無理だよ」「なんでわからないの」「本当に悪い子だね」「どんくさい」「恥ずかしがり屋だから」と言われ続けている子は、自分がそのような人間だと思い込みます。
「できる・できない・夢はかなう・かなわない」というような気持ちは、幼児期に周りの大人に言われてきた言葉が根拠になって作られる「思い込み」です。
マイナス要素がある大人の発言によって、本当はできるのに自分にはできないんだと思い込んでしまうこともあるのです。
園での活動中に、悪い言葉を使って友だちを傷つけたり、思い通りにならないと叩くなどの行為をする園児がいます。
これは、保護者や兄姉から言われる・されていることをそのまましているな、と私は思っています。
子どもは黙っていても、周りの環境でいつか悪い言葉を覚えていくものですし、子どものうちに通る道でもあります。
ならばせめて、人間形成に大きな影響があるとされている6歳までは、ポジティブな言葉や環境で過ごせるようにしたいと思いませんか?
ネガティブな言葉で影響を与えるよりも、「ありがとう」「応援してるよ」「大好き」「がんばってるね」「きっとできるよ」などのポジティブな言葉がけで「良い思い込み」を作りましょう。
良い思い込みは、自己肯定感にプラスな影響を与えます。
身体も大切ですが「心が元気である子ども」を育てたいですね。

それぞれの感覚

6月18日(火)

出勤時間が8時なら、何時に職場へ行きますか?
8時出勤なので8時に職場へ着くように行く人もいるかもしれません。
私は8時から仕事が始められるように、どんなに遅くても5分前には職場へ着くようにします。
もうひとつ
「明日、少し早く出勤してください」と言われたら、何分前に出勤しますか?
①5分でも少し早い
②30分でも少し早い
私は②を選択しますが、時間の感覚はそれぞれ違いますね。
30分くらい早く出勤してほしいと思えば、感覚が違うと思う相手には「少し早く」ではなく「明日は30分早く出勤してください」と伝えれば、モヤモヤせずに済みます。
これは良い悪いの問題ではなく、感覚や価値観はそれぞれ違って、差があることを知っておくことが大切なのかなと思います。
子どもへの対応も、伝えた内容をクラス全員が同じように感じるわけではないので、個々に感覚が違うことを知り、その子に合った対応や寄り添い方を考えます。
当園でクラス全員が同じ制作をしたり、絵画の時間を設けることをしない理由は、こういうところにあります。
「みんなちがって みんないい」

プロセスが大事

5月29日(水)

「プロセス」と聞くと、食いしん坊の私はチーズを思い浮かべてしまいますが、辞書で「プロセス」を引くと「過程・工程・方法」とあります。
私は、活動の中で園児が出来るようになったこと・出来たことに対し、結果ではなく、出来るようになるまでの過程を褒めたいと思っています。
例えば、縄跳びが飛べるようになったことに対し「飛べたね!すごいね!」と「飛べるようになるまで、よく頑張ったね!」だと、私は後者です。
そこまで努力したから出来るようになった、頑張った証し、その姿勢を認めたいと考えます。
子どもたちは、いつか結果で判断される年齢になります。
学生のうちは成績だったり、社会人なら仕事の結果であったりするでしょう。
「結果が良くなければダメなんだ」と自分を責めたり、追い込まないでほしいと思います。
それは、周りの人間関係も影響してくることではありますが、まずは「自己肯定」できる人であってほしいのです。
頑張ったことが認められる経験を重ねていくことで、自己肯定感が芽生えてきます。
子どもが「出来なかった」ことを「出来るように」環境を整え、援助(支援)し、出来るまでの努力を認め、出来るようになったら「共によろこぶ!」
龍谷幼稚園は、このような場所でありたいと考えています。